Appleはまったく別の2つの機能に「連係カメラ」という同じ名前を付けました。ひとつはiPhoneをMacのビデオ通話用カメラにする機能です。もうひとつはMacの書類の中からiPhoneのカメラを開き、撮った写真をその場に差し込む機能です。このページでは2つを分けて、それぞれの直し方を見ていきます。
手っ取り早い答え: MacとiPhoneを同じAppleアカウントでサインインさせ、両方でBluetoothとWi-Fiをオンにしてください。ウェブカメラとして使うときは、iPhoneをロックして横向きで固定します。どちらの機能も撮影済みの写真は送れません。 iPhoneアプリ(無料) Macアプリ(無料) Androidアプリ(無料) Windowsアプリ(無料)
「連係カメラ」は同じ名前を持つ2つのApple機能です
「連係カメラ」が動く動かないという話がかみ合わないのは、2人が別の機能を説明しているからです。
- ウェブカメラとしての「連係カメラ」はiPhoneをMacのカメラにします。MacのカメラメニューにiPhoneが内蔵カメラと並んで表示されます。
- 読み込みとしての「連係カメラ」は撮った写真を作業中のMacの書類に入れます。Macで「写真を撮る」を選び、iPhoneでシャッターを押します。
- 2つの「連係カメラ」は4年の間隔をあけて登場しました。読み込みは2018年のmacOS Mojave、ウェブカメラは2022年のmacOS Venturaです。
ウェブカメラはロックした端末、読み込みは起きた端末が必要です
どちらの意味で言っているかで直し方が変わります。2つは正反対の状態を求めるからです。
- iPhoneをMacのウェブカメラにするにはロックしてスタンドに固定します。macOSは操作中や動かしている端末を候補に出しません。
- Macの書類に写真を読み込むにはiPhoneを手元で起動しておきます。構図を決めてシャッターを押すのは自分です。
- どちらの「連係カメラ」もカメラロールの写真は送れません。2つとも新しく撮るだけで、既存の1枚を選ぶ画面はありません。
Camera to Clipboardは撮影済みの写真をMacへ送ります
ウェブカメラではなくスマホの写真がほしくて来たのなら、こちらが近道です。
- Camera to Clipboardはカメラロールの写真をそのまま送れます。「連係カメラ」にはできないことです。1枚でもまとめてでも、選んで送ればパソコンに届きます。
- Camera to Clipboardの写真はフォルダではなくMacのクリップボードに届きます。作業中の場所でCmd + Vを押すだけで、あとに残るファイルはありません。
- Camera to Clipboardは画像を受け付けるMacアプリすべてに貼れます。クリップボードはどのメニュー項目よりも古く、広く使われている仕組みです。
自分のWi-FiでスマホからMacやWindows PCへ写真を送れます
Appleの機能ではなくなると、3つのことが変わります。
- Camera to ClipboardはiPhoneとAndroidから、MacとWindows PCへ送れます。スマホとパソコンのメーカーが違う組み合わせは、「連係カメラ」が想定していない場面です。
- Camera to Clipboardの写真は自分のWi-Fiを通り、クラウドには上がりません。2つのアプリは互いを見つけるためだけにインターネットを使い、テザリングでも動きます。
- Camera to Clipboardで送った動画はパソコンにファイルとして保存されます。そのファイルの場所がクリップボードに入ります。
- スマホにCamera to Clipboardを、Macにデスクトップアプリをインストールします。
- QRコードを読み取って一度だけペアリングします。10秒ほどです。
- スマホで新しく撮るか、カメラロールから選んで送ります。
- MacでCmd + Vを押します。
どちらも無料でダウンロードして試せます。無料版では小さな透かしが入り、写真は1920pxまでです。Proではどちらもなくなります。
iPhoneをMacのウェブカメラにする4つの手順
いま「連係カメラ」と言えば多くの人がこちらを指します。手順は4つです。
- MacとiPhoneを同じAppleアカウントでサインインし、2ファクタ認証をオンにします。
- 両方でBluetoothとWi-Fiをオンにし、iPhoneをMacの近くに置きます。
- iPhoneをロックしたまま横向きで固定し、背面カメラを自分に向けます。
- Macでビデオアプリを開き、カメラメニューからiPhoneを選びます。
ウェブカメラにしたiPhoneはMac内蔵カメラより高画質です
得られるのは良くなった映像と、Mac内蔵カメラには出せない3つの効果です。
- MacのウェブカメラにしたiPhoneはふたのカメラより鮮明です。背面カメラ系は何世代も進んでいて、暗い部屋ほど差が開きます。
- 「センターフレーム」はMacのビデオ通話中も自分を画面内に保ちます。iPhoneが広角レンズの中で追いかけるので、歩いても画角から外れません。
- 「スタジオ照明」はカメラ役のiPhoneが映す顔を明るくします。部屋の唯一の窓が自分の後ろにあるときに効きます。
- 「デスクビュー」はMacのビデオ通話に机の上の映像を足します。iPhone 11以降が必要で、AppleはiPhone SEとiPhone 16eを除外しています。
3つの切り替えはMacのコントロールセンターにあり、アプリがカメラを使っている間だけ「ビデオ」の項目が現れます。
「iPhoneから読み込む」は新しい写真をMacの書類に入れます
こちらが古いほうの意味で、手順は4つです。
- 「メモ」「メール」「Pages」などのアプリで、写真を入れたい位置にカーソルを置きます。
- そこで右クリックするか、アプリの「ファイル」メニューから「iPhoneまたはiPadから読み込む」を選びます。
- 「写真を撮る」を選ぶと、ロックを解除したiPhoneでカメラが開きます。
- スマホで撮って「写真を使用」をタップします。少し後にMacに現れます。
iPhoneから紙の書類やスケッチをMacの書類に取り込めます
同じメニューにはあと2つの選択肢があり、スマホからパソコンへ書類をスキャンする方法もあります。
- Macの「書類をスキャン」は紙の傾きと余白を自動で整えます。iPhoneが紙の端を見つけて遠近をならすので、きれいなスキャンがMacに届きます。
- 「iPhoneから読み込む」はFinderの中でも使えます。デスクトップやフォルダを右クリックすると、そこに写真がそのまま保存されます。
- 「スケッチを追加」はスマホで描いた絵をMacの書類に入れます。iPadのApple Pencilなら本当に役立ちますが、指で描く場合はそれほどでもありません。
MacとiPhoneを同じAppleアカウントにそろえてください
どちらの機能にも共通する3つの条件で、失敗の大半はここに集まります。
- 「連係カメラ」はMacとiPhoneが同じAppleアカウントで、2ファクタ認証も必要です。Macが一方、スマホがもう一方のアカウントでは機能そのものが現れません。
- 「連係カメラ」は両方でBluetoothとWi-Fiが必要で、映像はBluetoothを通りません。Bluetoothは互いを見つけるため、Wi-Fiは映像を運ぶために使われます。
- 「連係カメラ」はiPhoneがMacから約10メートル以内にある必要があります。廊下で充電しているスマホはMacのカメラ一覧に出てきません。
インターネット共有を切り、両方のOSの新しさを確かめます
機能がそもそも存在するかどうかを決める条件が、あと3つあります。
- iPhoneがモバイル通信を共有していると「連係カメラ」は止まります。Macがインターネットを共有している場合も同じで、Appleが挙げている条件です。
- iPhoneをMacのウェブカメラにするにはmacOS Ventura 13とiOS 16とiPhone XR以降が必要です。それより古いMacには、iPhoneカメラという選択肢がありません。
- Macの書類への読み込みはmacOS Mojave 10.14とiOS 12があれば動きます。こちら側の「連係カメラ」はずっと古い機種にも届きます。
iPhoneをロックして立てるとMacの一覧に出てきます
いちばん多い訴えは、MacのカメラメニューにiPhoneが出てこないというものです。
- MacのカメラメニューにiPhoneが出ないのは、たいていロックが解けているからです。ロックすれば1、2秒後にカメラメニューに現れます。
- macOSは横向きで固定され、背面カメラが自分を向いたiPhoneだけを候補にします。レンズをふさぐものがあれば対象外なので、ケースとスタンドを確認してください。
- 机に平置きしたiPhoneはMacのカメラ候補になりません。スタンドに立てるか、ふたに取り付けてレンズを自分のほうへ向けてください。
iPhone側の「連係カメラ」のスイッチを入れ直してください
すべてのMacから自分を消してしまうスイッチがスマホ側にあり、見落としがちです。
- iPhoneには「連係カメラ」を完全に切るスイッチがあり、初期状態はオンです。スマホの「設定」>「一般」>「AirPlayと連係」にあります。
- iPhoneの「連係カメラ」を切って入れ直すと、スマホが存在をもう一度知らせます。見た目は正しいのにMacに何も出ない場合は、これで直ります。
- Macのシステム設定に「連係カメラ」のスイッチはどこにもありません。Macができるのは、アプリが使うカメラを選ぶことだけです。
ケーブル、アプリの更新、再起動の順に試してください
それでもiPhoneが出てこないときは、この3つを順に試します。
- iPhoneをケーブルでMacにつなぐと、無線で出ないときでも出てきます。この1回でネットワークの問題かアカウントの問題かが数秒で切り分けられます。
- 古いMacのビデオアプリは、内蔵カメラしか一覧に出しません。スマホを疑う前にアプリを更新してください。
- MacとiPhoneの再起動は、カメラの選択肢を隠す古いペアリングを消します。上の確認のほうが早いので、これは最後に回してください。
「iPhoneから読み込む」が灰色ならMacが端末を見失っています
読み込みのほうは失敗の仕方が違い、その出方が原因を教えてくれます。
- 「iPhoneから読み込む」が灰色なら、アプリは対応していてスマホに届いていません。アプリを疑う必要がなくなり、2台のあいだの接続に的が絞れます。
- 「iPhoneから読み込む」自体がなければ、そのMacアプリは未対応です。「メモ」や「テキストエディット」で試すと、動くアプリの見え方がわかります。
- MacとiPhoneのAppleアカウントが違うと、必ず灰色になります。仕事用のMacには、忘れているもうひとつのアカウントが入っていることがあります。
iPhoneを起こしBluetoothを入れ直すと読み込みが戻ります
灰色になった項目を戻す3つの方法を、試す順に並べました。
- iPhoneを起こしてロックを解除するのが、灰色の読み込みを戻すいちばん早い手です。スマホ側でカメラが開く必要があり、ウェブカメラ機能とは正反対です。
- iPhoneのBluetoothを入れ直すと「iPhoneから読み込む」が戻ることが多いです。スマホを見つける処理はBluetoothを通り、長く眠ると黙って止まります。
- 機内モードやWi-FiオフのiPhoneは、Macの読み込み要求に応えられません。見つけるのはBluetoothですが、写真はWi-Fiを通って戻ります。
通話中にiPhoneへ触れると映像が切れます
3つめの失敗は、すべて動いたあとの通話中に起きるのでたちが悪いです。
- ビデオ通話中にiPhoneを手に取ると、カメラとしての利用はその場で終わります。Macは話の途中で内蔵カメラに戻ります。
- iPhoneへの着信は、通話の途中でカメラをMacから奪います。大事な通話の前にスマホを集中モードにしてください。
- カメラ役のiPhoneには「接続解除」のボタンが表示されます。押すと、選び直すまでMacのカメラ一覧からスマホが消えます。
長いビデオ通話ではiPhoneを充電しケーブルでつなぎます
すでに動いていた通話を終わらせるものが、あと2つあります。
- 長いビデオ通話は、ウェブカメラ役のiPhoneの電池を消耗させます。充電しながら使うか、Macにつないだまま撮影してください。
- 混雑したWi-Fiは、通話の途中で無線の映像を落とします。先に映像が固まり、そのあとカメラが消えるので、カクつきが前触れです。
- iPhoneとMacをケーブルでつなぐと、通話中の切断はほとんど止まります。ネットワークを経路から外し、電池も減りません。
「連係カメラ」は撮影済みの写真を送れません
ここまでの対処は「連係カメラ」が合っている前提です。そうでないことも多くあります。
- 「連係カメラ」は必ず新規撮影で、カメラロールの写真は送れません。「写真を撮る」はシャッターを開くだけです。ピッカーも最近の写真の帯もありません。
- 「連係カメラ」はApple製品どうしでしか動かず、Windows PCやAndroidは参加できません。Windows版は存在せず、AirDropがぶつかるのと同じ壁です。
- iPhoneをMacのウェブカメラにすると、通話のあいだスマホを使えません。ロックしたままスタンドに置くので、メッセージを見ると映像が切れます。
- 未対応のMacアプリでは、ファイルを保存してドラッグする方法に戻ります。そうしたメニューを持たないブラウザ、デザインツール、ノートアプリは多くあります。
Appleの連係機能はどれも相手側にMacが必要です
「連係カメラ」はAppleのほかの機能と混同されやすいので、並べて比べます。
| 機能 | 撮影済みの写真を送れる | 写真の届き先 | Windows PCで使える | Androidから使える | 使用中もスマホが空く |
|---|---|---|---|---|---|
| ウェブカメラとしての連係カメラ | 不可、生の映像だけ | どこにも残らない | 不可 | 不可 | 不可、スタンドで固定 |
| 連係カメラの「iPhoneから読み込む」 | 不可、新規撮影のみ | 開いているMacの書類 | 不可 | 不可 | 撮る間だけ占有 |
| AirDrop | 可能、1枚でもまとめてでも | Macのダウンロードフォルダ | 不可 | 不可 | 可能 |
| ユニバーサルクリップボード | 可能、動けばの話 | Macのクリップボード | 不可 | 不可 | 可能 |
| Camera to Clipboard | 可能、1枚でもまとめてでも | パソコンのクリップボード | 可能 | 可能 | 可能 |
撮るなら「連係カメラ」、送るならCamera to Clipboardです
どれも動くので、決め手はひとつです。その写真はもう存在するのか。
- 開いているMacの書類に新しい写真を入れるなら「連係カメラ」です。右クリックしてスマホで撮れば、その場に写真が入ります。
- 画質が大事なビデオ通話なら、ウェブカメラとしての「連係カメラ」です。スタンドに立てたスマホはMacのふたのカメラに勝ります。
- これから貼り付ける手元の写真ならCamera to Clipboardです。WindowsやAndroidでも動き、写真がいつ撮られたものかを問いません。
- 保存しておきたいならAirDropとUSBケーブルが向いています。AirDropはまとめてダウンロードフォルダへ、ケーブルはカメラロールを丸ごと「写真」アプリへ移します。
Macの「連係カメラ」についてよくある質問
Macの「連係カメラ」とは何ですか?
「連係カメラ」は同じ名前を持つ2つのApple機能です。ひとつはiPhoneがMacのビデオ通話用カメラになる機能です。もうひとつはMacアプリの中で「写真を撮る」や「書類をスキャン」を選ぶと、撮った写真がそのまま書類に入る機能です。どちらも2台が同じAppleアカウントで、BluetoothとWi-Fiがオンである必要があります。
Macで「連係カメラ」が動かないのはなぜですか?
条件を順に確認してください。2台が同じAppleアカウントで2ファクタ認証がオン、両方でBluetoothとWi-Fiがオン、距離は約10メートル以内が必要です。ウェブカメラとして使うなら、iPhoneをロックして横向きで固定し、背面カメラを自分に向けます。そこまで満たしているなら、2台をケーブルでつないでください。
Macで「iPhoneから読み込む」が灰色なのはなぜですか?
灰色の項目は、そのMacアプリが機能に対応していて、スマホに届いていないという意味です。iPhoneを起こしてロックを解除し、両方のBluetoothとWi-Fiを確認し、同じAppleアカウントかを確かめてください。灰色ですらなく項目そのものがない場合は、そのMacアプリがもともと対応していません。
「連係カメラ」でiPhoneにある写真を送れますか?
送れません。「連係カメラ」は必ず新しく撮影し、カメラロールを選ぶ画面はどこにもありません。すでに撮った写真を送るなら、AirDropでMacにファイルとして保存してください。Camera to Clipboardならパソコンのクリップボードに直接入り、すぐ貼り付けられます。